産婦人科とは、産科と婦人科の両方の機能を持っている診療科であり、産科・婦人科・産婦人科では、担う役割が異なります。産科では妊娠や出産について専門的に扱い、婦人科では妊娠以外の女性の病気(生殖器の腫瘍性疾患や不妊など)の診療を行い、産婦人科では妊娠から女性特有の病気までに対応しているのです。

この3つの診療科で働く看護師の役割も、当然異なります。

まず産科では、外来を担当する看護師の場合、妊婦健診や出産後の1ヶ月健診のサポートなどを行います。
また病棟を担当する看護師は、入院している妊婦へ検温や点滴をしたり、身の回りやのケアや精神面のサポートをします。その他には、出産の際には助産師のサポートや、手術になった場合は器械の準備なども行い、産後には、新生児の検温や採決の他、母親への沐浴や授乳の仕方、退院後の生活について指導も行います。

次に婦人科ですが、外来ではがん検診や診療のサポートが看護師の主な業務となります。
そして病棟では、検温や点滴の他、服薬する薬の説明や管理を行います。また手術を控える患者への指導や説明などを通して、不安を少しでも和らげられるように精神面のケアもしています。不妊治療外来へ勤務する場合は特に、通院している患者夫婦に寄り添い、情報を綿密に伝えあうことによって支えるという大切な役割もあります。

最後に産婦人科では、産科と婦人科の両方の役割を担っているため、新生児から成人まで幅広く対応しなければならないことから、幅広い専門知識が必要となります。また、患者の精神的なケアも求められることから、対人スキルの高さも必要だと言えるでしょう。